11cnの角の物語

去年のまだ寒いころの毎週一度の営業会議でのこと・・・一人の営業マンからの報告から、この物語ははじまりました

”何軒かのお得意先さまから、ここのところのメガネブームでメガネスタンドの需要が高まっているのになかなかメガネスタンドで良い製品が見当たらないという声があります”・・という報告でした。
”私もメガネスタンドの件!お客様からなにかいいの持っていないの?探しているんだけどと言われています”~

そしてある営業マンがサンプルルームに以前からあったアルミ製のシカのオブジェを思い出し”こんなかんじのシカのフォルムでメガネスタンドって良くないですか?”
一同”良いアイデア!!角のところをスタンドにね!””その角をもう少しねかせてメガネをかけれるようにすればいいよね”
ということでシカのオブジェでインテリアの要素を残しながらも実用性のあるメガネスタンド製品をつくるプランがトントン拍子で決定しました。
営業マンのみんなも営業部長も社長も全員が、このよいアイデアに、”5月ころの新製品の大ヒットの予感”にみんなワクワクです。

海外工場からの回答が輸入部から ”形状などは変更可能な範囲ですが・・・このところのアルミ製品は原材料高で販売価格で軽く5000円はこえてしまいます”

一同・・・・
5000円をこえる
オブジェなら5000円を超えても良いですが、メガネスタンドの実用品でいくらデザイン性が優れたものでも5000円はちょっと高すぎます。

営業部長から”販売価格は2500円から3000円までで材質探しから始めること!” になりました

そこから、あらゆる金属・合金・プラスティック樹脂が検討され、なかでもシリコンとポリレジンが製造可能で販売価格にぎりぎりのところで作れそうという返事がきました。

シリコンは質感もよく第一番の候補でしたが、角の形状からメガネを安定して保持できないことが判明し、あえなく断念
第二候補のポリレジンは質感はシリコンからくらべると無機的ですがメガネホルダーとしての役目は充分に果すことできます、しかし落下など外的要素に弱いという弱点もあります。
目下のところポリレジンに変わる素材が見つからない現状で、5月の販売開始予定は崩せません、社長の号令のもと、ポリレジンでGO!です
結局パッケージに安全面を考慮し、やむなく発泡スチロールを使うことで決着しました。(発泡スチロールは英語ではStyrene foamといいます。マメ知識のコーナー)
ポリレジン案の出始めたころ、デザインはシカもいいけど大ヒット中のザリガニのハブラシホルダーでも面白いのでは?という意見もあり、実際に実績のあるザリガニの方がリサーチ段階では安全パイとの評価もあったようですが。シカとザリガニという異質なラインナップが営業の間で論議になり。
シカ一本に絞って販売する方がイメージ的な戦略としてはスマートではないか!という結論にいたりました。

さてその問題のシカですが・・・デザイン段階で発想の元となったオブジェと同じ立った姿のシカと新案で座った姿のシカの両方の姿のラインナップで販売するというデザインで進んでいました。
営業サイドでは座っているシカは、あれば2タイプで販売はし易いかもしれないけど・・・
平面のデザイン画を両方を見比べるとどうも座っているシカのイメージが奈良公園のシカの置物のお土産品をイメージさせるという意見が大半を占め立っているシカだけで勝負することになりました。
立った平面画のメガネスタンドとモデルのアルミ製サンプルのオブジェで、ポリレジンを加工できる工場に相談を持っていったところ・・・
輸入部から”ポリレジンとなると、まず立体の原型を作るか?立体の型の図面を描くかのどちらかでないと!どの工場でも見積もりも出来るか出来ないかの返事もくれません”とのこと ・・たた確かに。
平面図はサイズもかかれていないイメージ画ですもの!デザイナーはグラフィックデザイナーなので立体や立体図面は描けません。会社には工業デザイナーや立体図面を描ける様な人材はまだいません・・・


さてここからが実際にもっとも時間がかかりました
今号のmonoマガジンに紹介された社長から ”使った人がメガネホルダーとして実際に使いやすく、しかもデザイン性にも優れたものでなくてはいけない”との厳命だったために
グラフィックデザイナーや発案の営業マンや担当の営業マンが図案やダミーが出るまでに・・・
基本はシカのフォルムは精悍でしゅっとした野性的な姿のシカのフォルムは崩さず、なお且つ 角には3本のメガネがかけられるようにと工夫を重ねること、気がつくと2ヶ月・・・

最初の壁はシカの立つ姿の美しさを保つと、どうしても横に倒れやすくなってしまうことでした。
前足の幅が3cm(足と足の間は1cm)・後ろ足の幅が4cm(足と足の間が1.7cm)で美しさと安定のバランスが取れることが試行錯誤のうちに判ってきました。
次の問題は角の長さと幅とメガネをかける位置です。
シカが倒れずにメガネを置いたときに安定し、しかもメガネを置いたときに綺麗な感じがする角の長さ・角度を探ることです・・・
当初のメガネを3本かけるようにするとどうしても角の角度を高くしなくてはシカがバランスをとれずに倒れてしまいますでも高くするとどうも見た目のバランスが美しくありません。
ダミーをつくり長さや角度を変えていろいろなタイプのメガネやサングラスを乗せいろいろと試行錯誤のうちにどうしても3本がけタイプが難しいことが判り、現在の2本がけに・・・そして11cmの角の長さが最も美しく安定感を産むことが判りました。
実物にはお尻よりも角が5cmも後ろに長いのですが、凛と立つシカの野性味とオブジェの持つ洗練さを併せ持つバランスが保たれたデザインが完成したのでは?と思います。

ベッドサイドで、玄関でメガネスタンドとして置いていただいているディアーグラスホルダーには こんな11cmの角の物語があります・・・

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また今週も熱い営業会議のはじまりです・・・
週明け9日~11日は雑貨EXPOで是非ともみなさまにお目にかかれますことを楽しみにしております。

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